コロナ時代、もう情報工作はテンプレ化してるよね。

「新型コロナは中国の人工ウイルス」と信じる人が後を絶たない理由

Screenshot of diamond.jp

結構前のダイアモンドオンラインの記事だが、コロナ自粛にあんまりストレスが溜まったので、ストレス解消に書く。タイトルだけでプロパガンダする気満々な記事だから。

こういう記事が出るということは、新型コロナウイルスが人工由来である証拠みたいなものだ。そうでないなら、こんな構成の記事が掲載されるわけがないのだ。

記事の構成を見ると、まず、WHOがウイルスは自然由来であることを「あらゆる根拠」が示していると主張したことを、取り上げている。これは最初の段階で、WHOといういまだ日本人の多数派に威光のある機関の主張を掲載し、推奨したいウイルス自然発生説派へ力を与えている。

こういった場合に使われる「あらゆる根拠が示している」は、権威に従順な多数派を安心させるタームで、コロナに限らず何度も見たことがあるはず。実際に根拠があるわけではないだろう。

しかし、実際にこの説が本当なのか否か、確固とした証拠はいまだに、どこからも出されていない。WHOも参戦して、「いろんな人たちが、いろんなことを言っている」という混沌とした状況だ。そんな中、なぜ世界では「武漢ウイルス研究所起源説」を頭から信じる人たちが後を絶たないのか。

確固たる証拠はないので、自然発生説・人工説どちらも確定できない。「人工説を頭から信じる人が後を絶たない」という書き方は、自然発生説派を勇気付かせ、人工説派を揶揄する気持ちを芽生えさせるターム。自然発生説を頭から信じる人の不自然さは、無視される。

インテリジェンス方面からは、アメリカの情報機関が仕掛けている「対中工作」の一環だなんて話もまことしやかに語られているが、一般庶民がなんとなくこの陰謀論に引っ張られてしまうのは、今回の世界的なコロナパニックが見方によっては、“中国にとって都合のいい方向”へ流れていることも大きいのではないか。

前半であえて人工説の信ぴょう性を高めるような情報を出し、公平感を演出。その上でその信ぴょう性は一切検証することなく、「一般庶民が陰謀論に引っ張られてしまうのは」と続ける。これは前引用部と同じように、自然発生説派の自意識をくすぐる仕掛けをしつつ、同時に態度未決定の人間を自然発生説に引き込む効果がある。自分は一般庶民と違って賢い(笑)という自意識をくすぐる、基本メソッドだ。

 つまり、新型コロナの世界的流行によって、中国が「ひとり勝ち」をしているように見えてしまっているため、そこにモヤモヤしたものを感じる人々が「中国がバラまいたに違いない」と考えてしまっているのだ。

ウイルス人工発生説より根拠がない。筆者の推測(またはダイアモンドオンライン編集部の指示)である。この段階で自然発生説派は、この記事が人工説を否定する根拠を示してくれるのか、ワクワクした状態にされている。

さて、筆者のいう「中国独り勝ち」の内容は・・

  1. アメリカとの「5G覇権争い」で優位に立った
  2. 「コロナ対策」という新たな輸出品目ができた
  3. 香港の民主化運動から国際世論の目をそらせた

だそうだ。以下、これらの説明が延々と続いているが、「ウイルス人工説を信じる人間は、これらの事柄に引きずられている」という設定を前段で行って、あとはそれを強化していく構成である。設定への自己検証は行われない。

これらが本当にコロナが原因で中国が有利になった要素だとしても、「ウイルスを中国が作ったという説を信じる人が増えているのは、これらが原因ですよ、だけどウイルスは自然発生したものです」という筆者の推測に人の意識を引っ張るために延々述べているだけだ。だからいちいち長い。

ちなみに3の香港民主化運動だが、これも「香港の自由を求める人々の起こした運動」だという、普通の人々のナイーブさを利用しているに過ぎない。実際には、コロナで5Gについて中国に不利にされたはずの、アメリカの諜報機関の影が見え隠れしていた。

なぜそのような話が出てきたのか。なぜそのように考える人が多いのか。数々の見方が飛び交う混乱期に情報と向き合うためには、その「背景」を知ることが重要なのではないか。

最後に、現代の情報工作ではテンプレとなった「議論しようね」で締めである(笑)逆に私がここで述べてきたのは、どうして多数派がウイルス自然発生説を信じるかの「背景」なのだ。

最近・・・いや、民主主義の時代とはそういう時代だったんじゃないかと思うんだが、議論をしている意識でいながら半ば潜在意識で結論を出している人が多い。こうして、多数派の頭の中には「新型コロナウイルス人工説はデマ」という観念が育っていく仕掛けである。これが、多数派の読むメディアの役割。

この記事の構成を図にすると、下のようになる。冒頭でばっちり仕掛けを発動させておいて、その効果を発揮させる呪文詠唱を長めにやる構成だ。

とはいえ、マスメディアのこういう工作も、さすがに効かなくなってきてはいる。インターネットは本当に使いよう。

非常事態宣言が続くようだけど、観光に行こうかな。

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